もろもろの話

2008/01/30

 マハーマクト仏教大学ランナー校教育サービス・センター
『道徳心向上キャンプ』の様子

 

 マハーマクト仏教大学教育サービス・センターは、チェンマイ大学人文学部宗教・哲学科の依頼によって、『道徳心向上キャンプ』を、チェンマイ大学サーラ・デーンにて、行いました。

 タイでは、学校での宗教教育が義務化され、年に一度、文部省の視察が入ります。各学校でプログラムを組み、実施する場合もありますが、今回の様に外部に依頼する場合もあります。

学生は他の行事に出席のため、まだ、参加人数は少ない。

 外部に依頼する場合、ここチェンマイでは、いずれも仏教教団に関係する組織が行っています。それは、

  • マハーマクト仏教大学ランナー校
  • マハーチュラロンコーン仏教大学チェンマイ校
  • タンマチャリックのワット・シーソダー

です。

 その中で、マハーマクト仏教大学ランナー校が実施規模、回数とも他の2者を引き離して非常に多く、2007年度は、実に70回以上のキャンプを実施しています。参加者数は、年により異なりますが、毎年、一万人近くが参加しています。

 当然、キャンプは実施希望先の要望に沿って行われます。通常、1泊2日、または、2泊3日、その依頼した学校の学内、または、近くの寺院で実施されます。

 マハーマクト仏教大学ランナー校が行うキャンプの目標は、

まずは、ゲームでリラックス!

      1. 参加者に仏教による考え方、ものの見方を正しく理解させる。
      2. 参加者に、仏教によるものの考え方にのとって、日常生活をおくれるようにさせる。
      3. 参加者に仏教の修行をさせる。禅定を向上させる。
      4. 参加者に、タイの伝統・芸術を保護するなかで、自分自身の役割や義務を認識させる。
      5. 参加者に、麻薬などの習慣性のある物の危険性を理解させ、身を破滅に導く物をがまんすることを覚えさせる。

で、その求める結果は、

  1. 参加者は、自分の義務や役目を理解する。
  2. 参加者は、身の破滅への罪を知り、その知識を仲間に伝える。
  3. 参加者は、芸術・伝統・文化等を、より一層保護するようになる。

です。

 その実践方法は、以下の通りです。

罰ゲームをする頃になると、みんなも慣れてきて・・・。

    正念正知を使うこと、身口意を制御することを強調し、タイの礼儀作法、読経、慈しみを広げること、禅定に入ることを、経行を練習する。

 

 キャンプで話題とすべき事は16項目ありますが、今回は、一日コース、対象が学生と言うことで、「勉強する意味」、「友だちとの関係について」です。

  • 愛し合った幼なじみの異性の友だちが勉強しないために、分かれなくてはならなくなったと言うことから、勉強の意味について考える。
  • 人の為に尽くすことはどういうことか?
  • お金だけで、幸福になれるか?
  • 「足る」を知る経済の「足る」とはどういう事か?

以上のようなことについて、大学の教員の指導の下、学生たちは考えさせられました。

お坊さんと質疑応答。

  当日は、一部の学生が、他での行事に参加しているため、朝から一斉参加ではなく、学生が三々五々、集まってきました。昼食前には、ほとんどの学生が集まり、ゲーム、そして、グループに分かれてお坊さんとの質疑が行われました。

  • お坊さんは何回食事するの?
  • 霊は存在するの?
  • 天界に生まれ変わるためにはどうすれば良いか?
  • 禅定に優れるとどういう事があるか?

以上のような質問が、学生からなされ、意外と学生たちはお坊さんの生活について、知らないんだと言う印象を受けました。

 最後に「何故国王陛下を敬うのか?」について、考えました。

最後もやっぱり、ゲームだ!

  話題が割と学生の身近な話で具体的であるので、学生たちは身につまされるようで、結構、まじめに考えていました。比丘に対する時、年齢的にはあまり離れていないにもかかわらず、友達のように接しないで礼儀正しく接している、そして、最後に国王陛下について考えるなど、やはり、「タイなのだなぁ」と実感させられました。