日タイの仏教交流・人材育成のための寄金へのご寄付のお願い

 

 2002年より、タイも中学3年までが義務教育となりましたが、バンコクと異なり、チェンマイを中心とする北タイは、山地民の小数民族も多く、未だに義務教育を受けられない子どもが沢山います。日本と異なりタイの義務教育は、授業料のみが無料で、その他、教室の電気代や水道代等の施設使用料、教科書代、制服代、給食代、学校へ通う交通費等々はすべて自費です。山地民の小数民族の部落から学校までは遠く、交通費を工面することもできず、毎日、片道2時間近くの道のりの山道を歩いて学校へ通っている子どもも珍しくありません。それでも、学校に通えている子どもの家庭はまだましで、教科書代すら払えない貧しい家庭も多く、その様な家庭では子どもの教育を諦めざるを得ません。しかし、中にはどうしても勉強をしたいと言う勉強好きな子どももいて、その子どもたちは沙弥として出家して、お寺の境内に立てられた学校で勉強します。沙弥として出家して寺に住み込むことによって、衣食住に関する費用が必要なくなり、必要な小遣いは、寺の雑用を手伝うことによって得ることができるからです。その境内の中の学校は高校までで、学校によっては日本語専攻が開設されています。私が知るだけでも日本語専攻を開設している寺の境内にある高校は7校あります。

 日本語を専攻して高校を卒業した沙弥は、進学するのに必要なお金がないので、一般の大学で勉強を続けることができません。一方、王室によって建てられた学費の非常に安い僧侶のための大学はありますが、日本語学科が開設されていないために、日本語の勉強を続けることができません。そこで、専攻を変えてその僧侶のための大学に進学するか、あるいは、進学を諦めます。今、ここにその僧侶のための大学に日本語学科が開設されたとして、毎年、十人以上の沙弥が専攻を変えることなく、日本語の勉強を続けることができます。

 日本語学科開設するためには、タイの法律で、タイ人の日本語専攻の修士号取得者が常勤として必要です。修士号取得者を捜し出して、日本語学科を開設することは、理屈の上では可能ですが、修士号を持っていれば民間の企業で高給を取ることができますので、実際は大学の教員になる人はほとんどいません。すでに述べましたように、比丘の学生は一般の大学院で学び、修士号を取得する余裕すら経済的にありません。また、チェンマイを含む北タイは日本語教育のレベルが低く、日本語関係の大学院は北タイでは未だ開設されていません。そこで、広く寄金を募り、それを元に、比丘の学生に日本語を学ばせて、日本語の修士号をバンコクの大学院で取得さたいと思います。

 日本語学科が開設されたとして、その卒業生は、一部はそのまま比丘を続け、お寺の境内にある学校の先生となることができます。多くの学生は還俗します。還俗した場合、チェンマイの隣のランプーン県の工業団地に進出している日系企業、地場の日本の企業や日本人を相手にしているタイの会社等で働くことができます。北タイは産業として観光業が育っていますので、ホテルや観光ガイド等の観光業の仕事に就くこともできます。

 私事になりますが、ボランティアとして、僧侶のための大学で、この10年、日曜日に日本語を教えています。教室にはタイ人の沙弥・比丘、在家だけでなく、ラオス、ビルマ、カンボジアからの留学僧も多数参加しています。彼らの帰国後の進路については完全に把握することはできませんが、現地の日本のNGOを手伝ったり、学校で日本語を教えたりしていると、風の便りに聞いています。

 このような事情から、日タイの仏教交流として、さらには東南アジアとの仏教交流の一つとして、日本との架け橋になる人材育成のために、ご寄付を募っております。ご協力の方、何卒宜しくお願いいたします。

詳細等については、ご面倒ですが、お問い合わせに・・・。